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近年、共働き世帯が増加して、家事の時短や省力化に高い関心が寄せられています。新築住宅でも、動線や設備で家事をサポートするプランが人気です。
しかし、たくさんの手間と時間を必要とする洗濯は、これまであまり効率化が進んでいませんでした。その非効率を解消できると脚光を浴びているのが、ガス式衣類乾燥機の「乾太くん」です。
本稿では、乾太くんの特長や導入前に知っておきたいデメリットをご紹介します。洗濯家事を一気にラクにしたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
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乾太くんは、熱エネルギー機器メーカーのリンナイから販売されているガス式の衣類乾燥機です。1992年の販売開始以来、30年近くジワジワと売れ続けているロングセラー商品でした。
しかし近年、ママ同士のクチコミやSNSなどで注目されるようになり、販売台数が一気に伸びています。
さて、にわかに人気となった乾太くんですが、導入前に知っておくべきデメリットはないのでしょうか ――。知っておきたいデメリットを、ふたつご紹介しましょう。
乾太くんは「設置コスト」と「ランニングコスト」がかかります。このふたつは天日干しなら不要なコストですから、新規導入される方にとっては障壁になるでしょう。
それぞれ詳しく解説します。
乾太くんを導入するときは、以下のコストがかかります。
・乾太くん本体
・設置に必要な備品(ラックや工事用部材など)
・設置工事費(人件費や諸経費など)
ガス式衣類乾燥機は、電気式のものと比べて本体が高額です。たとえばネットでは、電気式なら5万円前後で国内メーカーのものを買えますが、乾太くんはその1.5~2倍くらいの価格で販売されています。
設置工事代金も、ガス式は有資格者によるガス配管や排湿管の設置が必要になるため高くなります。電気式は電源さえあればよく、自分で設置することも可能です。
家計を管理されている方にとって、衣類乾燥機のランニングコストは気になるところでしょう。天日干しなら、0円ですから。
リンナイによると、乾太くんの1回の乾燥コスト(平均的なLPガス価格で算出)は、以下のとおりです。
・5kgの洗濯物なら63円
・8kgの洗濯物なら102円
1カ月のあいだ毎日1回使うと、5kgの洗濯物で約2000円、8kgの洗濯物で約3000円ですね。
都市ガスの場合は、もう少し安くなります。東京ガスの試算によると「5kgの洗濯物で35円 (2022年10月現在)」となっていますので、LPガスの約半分です。
なお、ガス会社や料金プランによってガス料金が異なります。詳しくは、ご契約されているガス会社のホームページ等でご確認ください。
一方、電気式の衣類乾燥機の乾燥コストもだいたい同程度かかります。ただし、太陽光発電等の創エネ設備があるご家庭ですと、ガス式より安く収められます。
乾太くんは風の当て方やドラム内の形状を工夫することで、衣類が丸まりにくく、シワができにくい設計になっています。しかし、以下の状況ではシワができやすいので、注意が必要です。
・洗濯物を大量に乾燥する
・乾いたあと長時間放置する
また、乾太くんが採用している「タンブラー乾燥方式」は、衣類を回転させながら温風で乾燥させます。そのため、一部の素材は、天日干しより縮みやすくなります。
・熱に弱い繊維は、乾燥機の高温で縮んでしまう
・網目状の繊維は、組織が押しつぶされ、目が詰まってしまう
タンブラー乾燥に不向きものをご紹介しておきましょう。
・天然素材(絹、ウール、綿、麻など)
・熱に弱い化学繊維(ナイロンやポリウレタンなど)
・編んだ服(ニット、ポロシャツなど)
他にも、刺繍やプリントがされている衣類や洗濯タグにタンブラー禁止マークが付いている衣類も、乾太くんで乾燥しないほうがよいでしょう。ご注意ください。
天日干しすると、気持ちいいですよね。ですが日本は雨が多く、近年では花粉の心配などもあり、共働きで仕方なく部屋干しされている世帯も多いです。
共働き世帯にとって「悩みのタネ」と言えば、洗濯物の乾燥です。雨や帰宅時間を考えると外干ししたまま出勤しづらく、「干す⇒取り込む⇒たたむ」作業も時間を奪います。
その洗濯家事の不満を減らす有効な設備が、ガス式衣類乾燥機です。実際に乾太くんを使ったユーザーは100人中99人が満足していて「もう手放せない」と感じている方も少なくありません。
参考:リンナイ「乾太くんヒットの要因は困りごとの解決にあり」
さて、人気の乾太くんは、家庭のどのような困りごとを解決できるのでしょうか。特長をふたつご紹介しましょう。
ご存じのとおり、洗濯は洗濯機のスイッチを押して終わりではありません。洗濯が終わったあとも「干す⇒乾かす⇒取り込む⇒たたむ⇒しまう」と、とにかく手間がかかります。
しかし、乾太くんがあれば干す作業と取り込む作業がなくなります。乾かす時間も激減しますので、洗濯家事が劇的にラクになります。
天気予報とにらめっこする必要も、暑い日や寒い日にベランダに出る必要もないです。花粉や黄砂、PM2.5などの大気汚染が気になる日も、安心して洗濯できます。
乾太くんは、ガスならではのハイパワーで以下のような質のよい乾燥ができます。
・短時間で乾燥できる
・仕上がりがふんわりするので気持ちいい
・生乾き臭の心配がない
それぞれ、詳しくご説明しましょう。
電気式の衣類乾燥機は、乾燥するまでに2~3時間かかります。乾太くんなら、その1/2から1/3の時間で済んでしまいます。
リンナイが試算した乾燥時間を載せておきましょう。
・5kgの洗濯物なら約52分で乾燥
・8kgの洗濯物なら約80分で乾燥
これなら、1日に2度洗濯することも可能です。ドラム式洗濯乾燥機のように、乾燥が終わるまで次の洗濯を待つ必要もありません。乾太くんで乾燥しながら、洗濯機で2回目の洗濯ができます。
子どもの体操服や部活で使うユニフォームを、持ち帰ってきた日に「明日も使う!」と言われ、コインランドリーに駆け込んだ経験はありませんか?
そんな状況こそ、ガス衣類乾燥機の恩恵を強く感じる場面です。コインランドリーと比べると、手間だけでなく、コストや衛生面の心配も少なくなります。
乾太くんは、洗濯物にガスならではの強い温風をたっぷり送り込みながら乾燥させます。その結果、繊維が根元から立ち上がり、天日干し以上の快適な肌触りに仕上がります。
温度とドラム内の衣類の動き(攪拌)の管理にも、リンナイ独自の技術が光ります。衣類のダメージを防ぎながらふんわりした仕上がりになるのは、長い歴史の中で改善を繰り返した成果でしょう。
乾太くんは、80℃以上の温風で乾燥するため、嫌な生乾き臭がしません。
じつは、生乾き臭には「モラクセラ菌」という原因があります。この菌は、65℃の熱に10分間さらされると発育が抑制されるのです。
乾太くんは「乾燥スピード・ふんわり感・衛生面」から、美容院や介護施設など、プロユースに耐える設備として信頼されています。
新築されるなら、乾太くんを導入するだけではもったいないです。ぜひ、間取りも工夫して洗濯家事をもっとラクにしましょう。
乾太くんを導入する際、一緒に検討したい間取りをご紹介します。
洗面脱衣室を3~4畳程度の「洗面脱衣室兼ランドリールーム」にすると、以下のメリットを得られます。
・乾太くんを置きやすくなる
・洗濯家事がやりやすくなる
・広いので、脱衣や着衣もしやすくなる
ランドリールームについては、以下の記事で詳しく解説しています。気になった方は、あわせてご覧ください。
》ランドリールームとは?便利?なぜ、ランドリールームをつくるのか
乾太くんがあると、外干しする必要性が低くなります。外干ししないなら、ベランダをなくせます。
ベランダをなくすと、新築時やメンテナンス時のコストを下げられます。防犯上の不安も減ります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
》ベランダ(バルコニー)いる?いらない?無しにした場合のデメリット
ガス式衣類乾燥機「乾太くん」を導入すると、洗濯家事の効率が一気にアップします。乾燥後の仕上がりも、ワンランクアップ!気持ちのよい香りと肌触りを楽しめますよ。
乾太くんは、共働き世帯にとって強いミカタになってくれます。しかし、設置やコストに関しては「知っておくべきデメリット」もありますので、ご留意ください。
創建ホームでは、家づくりのアイデア満載の資料を多数準備しています。広島県で注文住宅をご検討中の方はコチラから無料で請求できますので、ご活用ください。
なお、広島ガスのショールームでは、乾太くんをはじめガス関連設備の実機をご覧いただけます。ご同行できますので、ご興味ありましたらお気軽にご相談ください。