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子ども部屋は4~5畳がトレンド?狭い子ども部屋のメリット

子ども部屋は4~5畳がトレンド?狭い子ども部屋のメリット

子ども部屋は「勉強部屋」や「寝室」の役割を担い、与えるべきものとして普及してきました。その結果、それなりの床面積があり、不自由なく過ごせるプライベート空間になっています。

現在、あえて子ども部屋の面積を小さくするご家庭が増えています。子どもを部屋にこもらせないように工夫し、ご家族のコミュニケーションを増やそうとする親御さまが多くなっているのです。

本稿では、狭い子ども部屋の特徴や、今求められている子ども部屋について解説します。新築をご検討中で、小さいお子さまがおられるご家族にご覧いただきたい内容です。

目次

一般的な子ども部屋の広さは4~8畳

一般的な子ども部屋の広さは4~8畳

現在の新築では、子ども部屋の広さをどのくらいにするのが一般的なのでしょうか。

お施主さま(建築主)のご希望で多いのは、4~8畳でしょう。まずは、4~8畳がどんな感じの広さなのか、特徴をご紹介したいと思います。

4~5畳の子ども部屋

4~5畳の子ども部屋は、やや狭めです。シングルベッドや奥行が浅い勉強机を置けますが、友達を呼ぶと窮屈に感じる広さです。

この面積のお部屋はクローゼットを設けるのが難しく、家具で対応するケースが多くなります。狭小感や圧迫感を減らしたい場合は、以下のような工夫で、使える床面積を増やすといいでしょう。

・出入口を引き戸にする
・ロフトを設けて収納スペースに充てる
・収納の機能は、ファミリークローゼットに移す
・勉強の機能は、家族共有のスタディーコーナーに移す

じつは、このくらいの広さを希望される方が増えています。子ども部屋を狭くして、その分をファミリークローゼットやスタディーコーナーなどの家族共用スペースに充てておられます。

詳しくは後述しますが、4~5畳は「家全体で子どもを見守りたいご家庭」におすすめできる広さです。

5~6畳の子ども部屋

一般的に多いのが、5~6畳の子ども部屋です。この面積なら、シングルベッドや奥行が浅い勉強机が置けて、小さなクローゼットも設けられます。

4~5畳の子ども部屋と同じように、出入口を引き戸にしたりロフトを設けたりすることで、床面積を有効に使えます。クローゼットではなく、お気に入りのワードローブを置くのもいいでしょう。

6~7畳の子ども部屋

6~7畳は、1人であれば余裕を感じ、友達を呼んでも窮屈に思わないで済む面積です。1畳ほどクローゼットに充てることができますので、収納力の心配もありません。

お部屋が6~7畳あると、セミダブルベッドやダブルベッドを置くことができます。大き目のデスクや本棚も設置可能です。

ちなみに、中学生や高校生のお子さまは、新居の自室の広さを自分で決めたいお歳頃ですよね。大抵は広めを希望され、親御さまとの話し合いで6~7畳に落ち着くケースが多いように思います。

7~8畳の子ども部屋

7~8畳は、1人であればかなり余裕がある広さです。2畳ほど収納スペースに充てられますので、ウォークインクローゼットを設けることも可能でしょう。

8畳あれば、机2台と二段ベッドが置けますので、兄弟や姉妹が2人で使うことも可能です。将来、間仕切りを設ける場合は、窓やコンセントの数に注意する必要があります。


狭い子ども部屋のメリットとデメリット

狭い子ども部屋のメリットとデメリット

さて、狭い子ども部屋が増えているとお伝えしました。部屋が狭いと、不便なことはないのでしょうか?

狭い子ども部屋のメリットとデメリットをご紹介しましょう。

狭い子ども部屋のデメリット

まずは、デメリットからご紹介します。 ―― お子さまの身体が大きくなると、狭い子ども部屋は窮屈になりそうですが、大丈夫なのでしょうか?

子ども部屋が狭いことは、お子さまの身体が成長してもそれほど問題にならないでしょう。最低限ベッドが置ければよく、勉強机は必ずしも子ども部屋に置く必要はありません。

じつは「子ども部屋=勉強部屋」という感覚は薄れつつあり、後述する共有スタディーコーナーを設ける方が増えています。

それよりも、収納スペース不足のほうが問題になるでしょう。収納一体型のベッドを利用したり、ファミリークローゼットを設けたりして、収納力を高める必要があります。

狭い子ども部屋のメリット

次に、メリットをご紹介しましょう。

・LDKを広くできる
・親子のコミュニケーションが増える
・将来お子さまが独立されたあとも無駄になりにくい

それぞれ、もう少し詳しくご説明します。

LDKを広くできる

住宅の床面積は、地域ごとに上限が規定(建築基準法第52条 容積率53条 建ぺい率)されています。原則的に、上限を超える床面積の建物は建築できません。

つまり、限られた面積の中で間取りのやり繰りをしないといけない、ということです。子ども部屋にたくさんの面積を割けば、その分、他にしわ寄せがいきます。

一方、子ども部屋をミニマルな面積にすると、LDK等の家族の共有空間に面積を割けます。

親子のコミュニケーションが増える

子ども部屋を狭くすることで見守りやすくなり、親子のコミュニケーションが増えるかもしれません。

狭い部屋は就寝以外の機能を持たせづらく、勉強や収納など、一部の機能を子ども部屋から分離することになります。その結果、お子さまの生活エリアが子ども部屋以外にも広がります。

お子さまの生活エリアが家族共有スペースにも広がれば、親子の会話が生まれやすくなります。シェアハウスを想像していただくと分かりやすいでしょうか。

将来お子さまが独立されたあとも無駄になりにくい

お子さまが独立されたあと、子ども部屋を持て余しているご家庭が少なくありません。年に数回、お子さまが帰省されたときに泊まるだけで、日常はほぼ使っていないお家が珍しくないのです。

子ども部屋を必要最小限の面積にしておき、1階の間取りをできるだけ充実させておけば、お子さまが独立されたあとも無駄になりにくいでしょう。

1階の間取りが充実した住宅は、平屋のような使い方ができます。親御さまがお年を召されたあとも、ほぼ1階だけで生活ができますので、ラクにお過ごしいただけます。

『準平屋』間取り – 1階で生活動線が完結する注文住宅アイデア


あえて子ども部屋を狭くする際、取り入れたい間取り

あえて子ども部屋を狭くして、自立を育む間取りとは

子ども部屋を狭くする際には、見守りやコミュニケーションのための「共有スペース」と、ひとりの時間を得るための「子ども部屋」の分け方が重要になります。

本稿では、そのひとつの形として、子ども部屋から勉強や収納の機能を分離する方法をご紹介しました。

ここで勉強(スタディーコーナー)と収納 (ファミリークローゼット)、子ども部屋に持たせる機能について、もう少し補足説明しておきましょう。

スタディーコーナーとは

ゆとり教育をきっかけに、子ども部屋の意味が「勉強部屋」から離れ始めています。その流れで、勉強スペースを子ども部屋から切り離し、家族共有のスタディーコーナーへ移す方が増えました。

スタディーコーナーは、LDKや階段の踊り場などを利用して設けられます。お子さまは勉強や工作、親御さまは家事やテレワーク、インターネットなど多目的に使われています。

スタディーコーナーの長所を、ふたつご紹介しましょう。

・食事の度にいちいち片づけなくてよい
・お子さまの勉強を見てあげやすくなる

ダイニングテーブルで勉強すると食事の度に片づける必要がありますが、スタディーコーナーならそれが不要です。共有空間であれば、お子さまの勉強も見てあげやすくなるでしょう。

じつは「学習時間が短くなる ⇒ 学力に影響が出る」という因果関係が明らかになっています。そして、親の関与が子どもの学習時間に影響することも分かっています。

とりわけ、父親が「勉強を見ている」ことが子どもの学習時間を延ばすのに効果的です。スタディーコーナーを親子が共有すれば、自然とそのような環境が生まれるのではないでしょうか。

参考:経済産業研究所「テレビ・ゲームの制限より親の関与が重要」

ファミリークローゼットとは

これまで、クローゼットは各私室に設けるのがスタンダードでした。ファミリークローゼットは、それを一か所に集約したものです。私室の収納は、小さな家具程度で済みます。

ファミリークローゼットのメリットをご紹介しましょう。

・大きなものも収納しやすい
・収納がカンタンになる
・生活動線や家事動線をシンプルにできる

ファミリークローゼットのメリットやデメリット、特徴については以下の記事で詳しく解説しています。ご興味がある方は、あわせてご覧ください。

ファミリークローゼットがある間取りのアイデアと、収納方法の実例

ミニマルな子ども部屋に持たせたい機能

スタディーコーナーやファミリークローゼットを活用すると、子ども部屋から勉強や収納の機能を分離できます。では、子ども部屋には、どんな機能を持たせればよいでしょうか。

子ども部屋も「自立の練習をするための場所」とするなら、幼い内からひとりで眠れる環境があるといいでしょう。ですから、少なくともベッドは必要です。

あとは、ちゃんと自分で整理整頓できるように、掃除や管理を任せたいところです。できれば、内装もお子さまの意見を聞いてあげてください。愛着やインテリア感覚を育むのに役立ちます。


【まとめ】狭い子ども部屋と共有スペースが、子どもの自立を促す

日本では、子ども部屋の多くが勉強部屋の目的で与えられてきました。しかし、紆余(うよ)曲折を経て、今は「自立の練習をするための場所」として見直され始めています。

一方、子どもでもたやすくインターネットにつながれる昨今、以前より見守りが難しくなっています。その結果「子どもを部屋にこもらせない家づくり」が求められるようになりました。

子どもの生活エリアが子ども部屋に偏らないようにするには、共有スペースの活用が有効です。ぜひ、あなたのご家族に適した間取りを見つけて、すてきな家を建ててください。

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