更新 間取りのこと
キッチンとダイニングテーブルを横並びにしたレイアウトには、長所がたくさんあります。ひとことで説明するなら「おしゃれで、機能的」です。
しかし、横並びにすることで特有のデメリットも生まれます。長所だけでなく短所も把握したうえでしっかり対策することが、大きな満足につながるでしょう。
本稿では、キッチン・ダイニング横並びレイアウトの実例や、横並びにすることで生まれる短所と長所をご紹介します。新築の間取りをご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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「キッチン・ダイニング横並び」とは、コンロ・シンク・ダイニングテーブルが一直線に並んだレイアウトの間取りを指します。必然的に、キッチンとダイニングの一体感が強い配置になります。
さっそく、キッチン・ダイニング横並びレイアウトの実例を3つご紹介しましょう。
最初にご紹介するのは、平屋に「キッチン・ダイニング横並び」を取り込んだ事例です。LDK(リビング・ダイニング・キッチン)が、ダイニングを中心にしたL型の配置になっています。
キッチンはペニンシュラ型でコンロ側に壁がありますが、壁の向こうは通路になっています。キッチン側からもテーブル側からもリビングに行ける、高い回遊性が魅力のレイアウトです。
この事例の詳細は、以下のページでご覧いただけます。勾配天井やオープンロフトによって空間が上下に広がる、開放的な平屋です。ぜひご覧ください。
次にご紹介するのは、設計士のご主人さまがこだわり抜いた「無垢の木を大胆に使った家」です。こちらのLDKは、キッチンを中心にしたL字型の配置になっています。
キッチンはI型で、2方向に腰壁を配置してアイランド型のような独立したレイアウトに。腰壁から造作のカウンターとテーブルをシームレスにつなげ、モダンで洗練された雰囲気をつくり出しています。
この事例の詳細は、以下のページでご覧いただけます。壁の石材や羽板をルーバー状に並べた天井、採光とプライバシーを両立した地窓や高窓も見どころです。
最後にご紹介するのは創建ホームのモデルハウス「GIAZO-ジアゾ-」です。「ダイニング・キッチン」と「リビング」をずらして配置することで、それぞれがゆるやかに独立した空間になっています。
キッチンはアイランド型で、ダイニングテーブルと突き合わせました。お客様に料理を振舞いたい方にぴったりの、パーティーやクッキングサロンで大活躍するレイアウトです。
この事例の詳細は、以下のページでご覧いただけます。見学だけでなく、全館空調もご体感いただけますので、ご興味がございましたらぜひご来場ください。
》全館空調 FITAIR 体感モデルハウス「GIAZO-ジアゾ-」
キッチン・ダイニング横並びレイアウトには、長所ばかりでなく短所もあります。では、どんな短所があるのでしょうか。代表的なものを、ふたつご紹介します。
キッチンとダイニングテーブルを突き合わせた場合、生活動線にとって、それが障害物になり得ます。たとえば、キッチン側からテーブルの向こう側へ行きたいとき、グルッと回り込まねばなりません。
この問題を解決する最も簡単な方法は、キッチンとダイニングテーブルの間に通路分の間隔を空けることでしょう。ただし、この方法では料理・配膳の家事動線が少し長くなってしまいます。
もうひとつの解決方法は、キッチンをアイランド配置にすること。ペニンシュラ型なら、壁の向こう側に通路を設けることです。そうすれば、キッチン側からもテーブル側からも向こうへ回り込めます。
キッチンとダイニングを横並びにすると、横長の空間が必要になります。どの程度の長さが必要か、試算してみましょう。
・標準的なキッチンの横幅:255cm
・ダイニングテーブルの横幅:4人がけ120cm、6人がけ180cm
・通路の幅(最小限):60cm、キッチン側とテーブル側両方なら120cm
この数字をすべて合計すると、少なくとも「435~555cm」程度の幅が必要です。これに奥行方向も考慮すると、お部屋としては「10~14帖」程度の面積になります。
さらにリビングも入れると、ミニマルなLDKでも「18帖」程度の広さが必要になります。ですから、キッチン・ダイニング横並びレイアウトは、じつは間取りをコンパクトにまとめにくいのです。
いっぽう、縦並びのLDKであれば「14帖」くらいからプランできます。敷地の形状や面積によっては、縦並びのLDKにするほうがよい場合もあります。
さて、キッチンとダイニングが横並びのレイアウトには、どんなメリットがあるのでしょうか。つづいて、その魅力をふたつご紹介します。
キッチンとダイニングを横並びにすると、調理・配膳・片付の動線が短くなります。キッチンと食卓を行き来する動作が減りますので、とてもラクです。
できたものからすぐに配膳できるので、キッチンが散らかりにくい点も長所と言えるでしょう。他にも、食卓とキッチンが近いとこんなメリットもあります。
・調理をする人が孤立しにくい
・食事しながら、調理中の料理の様子を見られる
・ダイニングテーブルを作業台代わりに使える
たとえば、揚がったものから食べていく天ぷらは、料理をする人だけ忙しく孤立しがちです。ですが、キッチンの隣にすぐ食卓があったら、食事をする家族の話の輪に加わりやすいでしょう。
食事をしながら、ときどき立ち上がって調理中のグリルや煮込み料理の様子を見ることもできます。料理をしながらテーブルで宿題をする子どもを見てあげるのも、やりやすいでしょう。
材料が多い料理や手の込んだ料理をつくるとき、ダイニングテーブルを物置台や作業台代わりに使えます。うまく活用すると、料理の段取りがラクになりますので、おすすめです。
キッチンは、料理のための設備や機能性が重視されがちです。ですから、LDKの中でキッチンだけがおざなりのインテリアになりやすく、注意が必要です。
キッチンとダイニングが横並びのレイアウトなら、ダイニングと連続したコーディネートでデザイン性の高い空間にできます。キッチンに絵を飾ったり花を生けたりしても、違和感なくなじむでしょう。
なお、よく見かけるのはリビング・ダイニング・キッチンが縦並びになっている間取りです。キッチン・ダイニング横並びレイアウトには新鮮さがあり、個性的なLDKに見える点も魅力のひとつです。
キッチンとダイニングを横並びのレイアウトにすると、おしゃれで機能的な空間になります。ただし、ある程度の広さが必要で、生活動線も長くなりがちです。対策を検討しましょう。
インテリアは、キッチンとダイニングをトータルでコーディネートしたいところです。レイアウトに合わせて、照明・コンセント・スイッチ・インターホンの位置も一緒に計画するとよいでしょう。
創建ホームの建築事例では、本稿でご紹介した実例以外にもLDKのレイアウトをご覧いただけます。あなた好みの間取りを発見するのに、お役立てください。