更新 住宅の知識
本稿では、新築住宅と中古住宅のメリットとデメリットをご紹介します。新築にすべきか中古にすべきか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
マイホームを検討し始めると「新築と中古、どっちがお得?」と迷う方が少なくありません。結論から言うと「絶対的な正解はない」です。それぞれに良さがあり、損得で優劣をつけられないのです。
とは言え、何か参考になる情報が欲しいところですよね。そこで、中古派と新築派の意見をまとめました。本稿を参考に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?
目次 |
---|
世の中には、新築住宅に興味がない方もいれば中古住宅に興味がない方もいます。つまり、それぞれに良さがあって、選択の正解は「個人の嗜好(しこう)やライフスタイルで変わる」ということです。
では新築派と中古派の方々は、それぞれ新築住宅と中古住宅のどんなところに引かれているのでしょうか。それを客観的に眺めてみると、あなたの嗜好や求めるライフスタイルが見えてくるかもしれません。
まずは、中古派の意見からご紹介します。中古派が考える「新築住宅のデメリット」と「中古住宅のメリット」から把握してみましょう。
中古派があげる「新築住宅のデメリット」は、主に次の3つです。
・初期費用がかかる
・良い土地の購入が難しい
・住宅の質の見極めが難しい
新築住宅は、取得時に大きな費用がかかります。「国土交通省 令和元年度 住宅市場動向調査報告書」によると、中古住宅より約1,300~2,000万円程度高いという結果が出ています。
参考まで、資料に載っている「購入資金額」の平均をご紹介しておきましょう。
・新築注文住宅(建物+土地):4,615万円
・新築分譲戸建て住宅:3,851万円
・中古分譲戸建て住宅:2,585万円(リフォーム代含まず)
新築住宅は、建物部分にかかる消費税や付帯工事費(外構工事等)も必要です。その分もあって、取得価格を押し上げているのでしょう。
注文住宅については、良い土地の購入が難しい点も留意が必要です。不動産業界にお勤めでもない限り、100点満点の土地を買うことはまず不可能です。その主な理由を2つご紹介しましょう。
・人気のエリアには、すでに家が建っている
・優良な土地は、一般の方には買えない
都心部を中心に、人気のエリアは土地が余っていません。まれに売りに出される優良な土地は、大手の不動産業者が現金即決で買ってしまいます。ですから、一般の方にとって土地購入は難関です。
新築住宅は、質の見極めも難しいでしょう。なぜなら、住宅には雨漏りや建物の傾きなど、数年経たないと出てこない不具合があるからです。必然的に「建築会社選び」が重要になります。
中古派があげる「中古住宅のメリット」は、主に以下の3つです。
・市場価格でリーズナブルに買える
・実物を見て買える
・「中古住宅購入+リフォーム」は環境に優しい
新築住宅は入居した瞬間、市場価格が大きく下落します。この価格差は「新築プレミア」と呼ばれ、10~20%程度下落する家も珍しくありません。
ではいったい、この「新築プレミア」はなんの対価なのでしょうか。よく言われるのは、次の3つです。
・販売促進費が乗っている
・保証費(一部の保証は最初の所有者しか受けられない)
・自由に設計できる対価
良くも悪くも、中古住宅にはこれがありません。ですから、リーズナブルな市場価格で買えるのです。
実物を見て買えるのも、中古住宅ならではの長所です。注文住宅や未建築の分譲住宅は、図面やモデルハウスを見て購入します。ですから、完成後に「思っていたのと違う」ということも起こり得ます。
さらに「中古住宅購入+リフォーム」は、環境問題の解決につながるかもしれません。建物を再利用することで、古家の解体や新築住宅の建築で発生するはずだったCO2(二酸化炭素)を削減できるのです。
つづいて、新築派の意見をご紹介します。新築派が考える「中古住宅のデメリット」と「新築住宅のメリット」を把握してみましょう。
新築派があげる「中古住宅のデメリット」は、主に次の3つです。
・不具合が出やすく、修繕費用がかかる
・現行法規に適合していない場合がある
・減税や給付金の金額が低くなる
中古住宅の築年数が10年を超えているようであれば、あらゆる建築資材や部品が経年劣化しています。修繕頻度が増えてくる時期で、引っ越し前のリフォームも検討するべきでしょう。
中古住宅は、現行の法規に適合できていないものもたくさんあります。建築基準法は時々改正されて厳格になっていますので「建築時は合法でも現在は不適格」ということが起こり得るのです。
たとえば、以下のケースでは建て替えや一定規模以上のリフォームをおこなうときに現行法規への適合が求められます。それをしないと、住宅ローンも利用できません。
・現行法規の耐震基準を満たしていない(新耐震基準に適合させる)
・前面道路の幅が狭い(道路中心から2m後退した線を道路境界とする)
・床面積が建ぺい率・容積率オーバー(既存建物を減築する)
もうひとつ、住宅ローンの話をしておきましょう。じつは、中古住宅は新築住宅に比べて住宅ローン減税の最大控除額が低いのです (新築は最大400万円/10年間、中古は最大200万円/10年間)。
さらに、個人から買った中古住宅は消費税がかからないので「すまい給付金制度」も利用できません (売主が宅地建物取引業者である場合は、消費税がかかるので利用可能)。
新築派があげる「新築住宅のメリット」は、主に以下の3つです。
・住宅の間取りや仕様を自由に設計できる
・最新の設備や性能が得られる
・保証やアフターサービスが充実している
注文住宅なら、法規等を考慮すれば自由に間取りのプランがつくれます。最新かつ高度な住宅性能も実現できます。これは中古住宅では実現が困難で、新築ならではの長所と言えるでしょう。
たとえば、高気密・高断熱にして高効率の住宅設備を導入すると、少ないエネルギーで冷暖房ができます。従来の住宅と比べて快適に過ごせるうえ、光熱費が大幅に減少します。
水回りの設備の掃除のしやすさも、進化しつづけています。そのような設備がカンタンに導入できるのも、新築の強みです。
・キッチンやトイレ ⇒ 年々掃除のしやすさが進歩している
・照明や給湯器 ⇒ 使いやすく、高効率になっている
・住宅の住み心地 ⇒ 夏は涼しく冬は暖かい環境が、低光熱費でつくれる
新築住宅は、保証やアフターサービスが充実しています。ほとんどの住宅設備のメーカー保証は1~2年間。延長保証制度(有償)をつけても最大5~10年間。それ以降の修理は、自然故障でも有償です。
また、新築住宅は主要な構造躯体や防水の瑕疵(かし)について、売主や建築会社が「10年間」責任を負います。これは「免責」や「3か月」程度とするのが一般的な中古住宅の瑕疵責任と比べて、非常に厳しい内容です。
もうひとつ、新築に住む満足感も中古住宅では味わえない長所と感じている方が多いようです。新築を建てた充足感や新築ならではの香り、新しいものに囲まれてスタートする新生活は、格別なものがあるでしょう。
家を取得する際の「初期費用、ランニングコスト、耐用年数、住み心地」などを総合的に判断すると、新築住宅と中古住宅のどちらかがお得とは言えません。ケースバイケースです。
選択の正解は、個人の嗜好(しこう)やライフスタイルで変わります。新築と中古、それぞれの長所と短所の情報をたくさん得て、自分で選ぶしかないでしょう。
本稿では、その選択の参考になりそうな新築派と中古派の意見を集めてみました。あなたにとって決め手になるようなものはありましたか?
創建ホームグループは、新築だけでなく「中古住宅購入+リフォーム」も対応しています。どちらにしようか迷っておられる方も、お気軽にご相談下さい。