更新 構造のこと
住宅を建てる時、見落としがちなのが、屋根の「形状」です。
屋根の形状には様々な種類がありますが、それぞれにちゃんとした機能が備わっています。今回は住宅の屋根について、種類と、形状のポイントを解説いたします。
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最初に屋根の役割についてご紹介します。
屋根には住宅の安全性を高める役割がありますが、特に重要視すべきポイントは以下の3つです。
① 雨を防げる
雨を防ぐ役割。台風などの雨風からも、守ってくれる防水性があれば安心です。
② 熱を防げる
外の日光を防いでくれる役割。暑い夏場にも重要ですね。
③ 空気を通す
室内の熱を外に逃がしてくれる役割。室内を快適な温度に保てます。
この3つの役割を踏まえた上で、屋根の形状を考えていくといいでしょう。
屋根の形状は主に8種類あります。ここではそれぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
① 片流れ屋根
屋根が一方向にだけ傾いている形状タイプです。見た目がシンプルで格好良いです。屋根の面積が広いため、太陽光パネルの設置にも向いています。
一方向に雨水や雪が流れるので、隣家の土地に雨水や雪が入らないよう雨どいや雪止め金物の設置が必要です。
② 招き屋根(差しかけ屋根)
片方の屋根を短く、もう片方の屋根を長くして、高低差をつけた形状の屋根です。
高低差があるため、空気がしっかりと流れ、湿気を防いでくれます。断熱性や耐風性も高く、快適な環境を維持してくれます。ただし、屋根と壁の接続部分は雨の影響を受けやすいので、丁寧な施工とメンテナンスが必要です。
③ 方形(ほうぎょう)屋根
四面からなる三角形の屋根が1点に向かっており、ピラミッド的な形状をしている屋根です。雨水や雪・風を四方に分散させることができ、耐久性が強いです。
ソーラーパネルの設置には不向き。屋根から落ちた雨水や雪の対策が必要になります。
④ 切妻屋根
代表的な三角形の屋根です。工事費用や期間を抑えることができ、雪や雨にも強いです。太陽光パネルの設置も問題なくできます。デメリットとしては、軒に覆われない壁面の劣化が早く、デザイン性があまり高くないものが多いことです。
⑤ はかま腰屋根
切妻屋根の一部を斜めに切ったような形状の屋根。道路斜線制限などで住宅の高さを削る必要がある場合に採用されることが多いです。
屋根裏などのスペースを広くとることができます。
屋根のつなぎ目が多いので、雨漏りする可能性が高くなります。コストも高めです。
⑥ 寄棟屋根
最上部から4方向に勾配がある屋根です。四面が支え合うようにして接しているので、雨風に強い特徴を持っています。太陽光パネルの設置には向いていません。
⑦ 入母屋屋根
切妻式の三角屋根です。古い田舎の家屋などに多く、格式高く、風情のある外観になります。耐風性がとても高く、強風が来てもびくともしません。断熱性にも優れています。
構造が複雑なのでメンテナンスが難しく、工費も高くなってしまいます。屋根は頑丈ですが、その分重いので、建物自身に強さをもたす必要があります。
⑧ 陸屋根
おしゃれなデザイン住宅に多い、平らな形状の屋根です。
屋上として利用できるので、バルコニーやベランダなどのスペースにできます。
清掃や工事もしやすいです。
傾斜がないので雨水や雪を落とせず、普段から防水処理していないと、雨漏りしやすいです。また、夏場は天井面の温度が高くなるので、蒸し暑くなる傾向があります。
「こんなにたくさん種類があるの!?」と驚かれた方もおられるかもしれません。どれを選べばいいのか分からない…とお悩みの方に、屋根選びのヒントを2つご用意いたしました!
屋根の形状と合わせてご紹介していましたが、屋根には太陽光パネルの設置に向いているものと向いていないものがあります。太陽光パネルで自家発電すると、電気代が安くなり、災害時や停電時にも電気を使うことができます。設置費用は高いですが、長期的な目で見ると、お得に使えるかもしれませんよ。太陽光パネルを設置したい場合は、屋根がきちんと対応できる形状か、確認しましょう。
もっとも大事なのが、お住いの地域の気候です。特に豪雪地帯、夏に非常に気温が高くなる地域にお住まいの方は要注意です。
豪雪地帯にお住いの場合、屋根の形状は雪が落ちやすいもので、素材も雪が滑りやすいものを選ぶことがおすすめです。雪が溜まってしまうと、その分住宅への荷重負荷がかかり、倒壊の恐れがあります。
夏に気温が高くなる地域でも、屋根の勾配が重要です。屋根と天井部分に空間を多くとれるので、通気性が高い住宅にすることができます。
創建ホームの「LIF」はシンプルかつ上品な住宅として設計されました。屋根は片流れ形状のものが多く、凛としてシャープな印象が特徴。
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