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折り下げ天井(下がり天井)とは?メリット・デメリットや実例を紹介

折り下げ天井(下がり天井)とは?メリット・デメリットや実例を紹介

近年、天井の一部を意図的に下げる《折り下げ天井》が人気です。折り下げ天井にすると、空間にメリハリが付き、おしゃれな雰囲気にできます。梁(はり)や天井配管を隠したいときにも重宝します。

一方、折り下げ天井は、圧迫感を覚えたり掃除の手間を増やしたりする恐れもあります。一般的な水平の天井に比べて、費用も余分にかかるでしょう。このようなリスクも理解して、対処したいですね。

本稿では、折り下げ天井の特徴メリット・デメリットを詳しくご紹介します。お部屋のインテリアをおしゃれな印象にしたい方は、ぜひ本稿をヒントに、天井までこだわってみませんか?

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目次

折り下げ天井(下がり天井)とは?キッチン等で採用される低い天井

折り下げ天井(下がり天井)とは

折り下げ天井とは、天井の一部を意図的に下げる建築手法のことです。近年では、キッチン等によく利用されています。

さっそく、その特徴から紹介しましょう。

折り下げ天井の概要

《折り下げ天井》は、コンテンポラリーな空間演出として近年人気の天井スタイルです。空間デザインと機能性の両面から、さまざまな目的で採用されています。

折り下げ天井の下げ幅は、一般的に10~20cm程度です。間接照明を入れる場合は、照明器具の高さを考慮して、さらに下げることもあります。

空間デザイン、あるいは機能的な理由から30cm程度下げるケースもあります。法令上、居室の天井は2.1m以上の高さを確保する必要があるため、それ以上の下げ幅を確保するのは難しいでしょう。

参考:建築基準法施行令 第21条(居室の天井の高さ)

折り下げ天井の機能

天井に高低差が付く《折り下げ天井》には、以下の機能があります。

・空間に広がりを感じさせる
・天井のアクセントになる
・ひと続きの空間をゆるやかに区切れる
・梁(はり)や配管を隠せる

折り下げ天井は、単調になりがちな天井に立体感を与え、視覚的な広がりを生み出してくれます。とくに、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)などの広い空間で効果を発揮します。

折り下げ天井部分を他の天井と異なる仕上材(表面材)にすることで、空間のアクセントにすることも可能です。また、段差もうまく活用すると、ひと続きの空間を視覚効果でゆるやかに区切れます

天井で目立ちがちな梁(はり)や配管を隠すために活用されるケースもあります。これらの機能の詳細は、のちほど「メリット」で解説しましょう。

折り下げ天井の用途

折り下げ天井は、ご紹介した機能により《キッチン》との相性がよいです。インターネット等で施工事例を探していただくと、大半がキッチンではないでしょうか。

キッチンの天井を下げることで、リビングやダイニングと空間を分けたり、ダクト配管を隠したりできます。マンション等、天井裏の空間が狭い場合にはとくに重宝するでしょう。

LDKに隣接する和室スペースでも、折り下げ天井が効果を発揮します。和室は床座になることが多く、天井が高すぎると落ち着きません。折り下げ天井のほうが、居心地がよいでしょう。

他にも、間接照明を設置するために天井を下げるケースもあります。


折り下げ天井(下がり天井)のデメリット

折り下げ天井(下がり天井)のデメリット

つづいて、折り下げ天井のデメリットをご紹介します。

・圧迫感を感じる恐れがある
・掃除の手間が増える可能性がある
・追加費用がかかる場合がある

それぞれ、詳しく解説します。折り下げ天井を採用するなら、デメリットを把握して対処しておくことで満足感がアップしますよ。

圧迫感を感じる恐れがある

折り下げ天井は、通常の天井よりも低くなります。ですから、特定の条件下では圧迫感を感じる可能性があります。

たとえば、高身長の方は圧迫感を感じやすいでしょう。天井高が2.4mの場合、20cm下げると2.2mに。身長が180cm以上の方がその空間にいると、少し窮屈に感じるかもしれません。

また、天井全体に対する折り下げ天井の割合が大きいほど、視覚的な圧迫感が増すでしょう。さらに、折り下げ部分を濃い色にすると、色彩心理により圧迫感や閉塞感を感じやすくなります。

参考:『色彩が空間認知に与える影響』

ご家族に高身長の方がおられる場合は、可能な限り天井高を確保するとよいでしょう。また、適切な照明計画を立てて空間の印象を明るくすることで、圧迫感を軽減できます。

なお、キッチンを下がり天井にする場合は、コンロとレンジフードの離隔距離にも注意してください。80~100cmに収める必要があります。

コンロとレンジフード(下端)の離隔距離は、条例等で「80cm以上」と定められています。また、換気不良を防止する観点から、告示等で「100cm以下」と定められています。

参考:広島市火災予防条例 別表第1
参考:建設省告示第1826号

掃除の手間が増える可能性がある

折り下げ天井は、一般的な水平の天井より掃除作業が面倒になる場合があります。

キッチンの上部に折り下げ天井を設置する場合、低い分だけ調理中に発生する油煙が付着しやすく、汚れやシミになることがあります。

また、折り下げ天井の段差部分に間接照明(コーブ照明)を仕込む場合は、くぼんでいる部分にホコリが溜まりやすい点も留意が必要です。

対策としては、以下が有効でしょう。

・小まめに掃除する
・掃除道具を工夫する
・汚れが目立たない仕上材を選ぶ

ひどい汚れがこびり付くと、汚れ落としの難易度が上がってしまいます。定期的にお掃除することで、汚れが蓄積するのを防ぎ、手間を減らせます。

掃除道具の工夫も大切です。伸縮タイプのハンディモップなど、掃除しやすい道具を用意すると掃除作業がラクになります。

汚れが目立ちにくい、あるいは拭き掃除がしやすい仕上材を選ぶことも重要です。根本的な解決にはなりませんが、美観の低下を目立たなくできます。

追加費用がかかる場合がある

折り下げ天井は、追加工事扱いになり、別途費用がかかるケースが少なくないでしょう。なぜなら、天井を下げるための材料費や施工費が必要になるからです。

面積にもよりますが、フラットな天井に比べて数万円から十数万円程度はコストアップするとお考えください。間接照明を仕込む場合は、照明器具や電気工事の費用も必要になります。

折り下げ天井にしたい場合は、費用を把握して、予算を確保しておくとよいでしょう。その代わりに優先順位の低い希望を見送る、あるいは将来の課題とするなどして、予算を調整しましょう。

折り下げ天井の費用を確認したい場合は、建築会社に過去の実例を聞いてみましょう。すぐに数字が出てくるようなら、折り下げ天井に慣れていると考えられます。


折り下げ天井(下がり天井)のメリット

折り下げ天井(下がり天井)のメリット

つづいて、折り下げ天井のメリットをご紹介します。

・空間にメリハリが付き、広がりを感じさせる
・おしゃれな空間を演出できる
・梁(はり)や配管を隠せる

それぞれ、詳しく解説していきましょう。

空間にメリハリが付き、広がりを感じさせる

折り下げ天井には、空間にメリハリをつけ、広がりを感じさせる効果があります。折り下げ天井を設置することで、空間を視覚的に区切ることもできます。

たとえば、LDK。キッチンを折り下げ天井にすることで、ダイニングやリビングと緩やかに空間を区切れます。高低差によって、視覚的な広がりも演出できるでしょう。

LDKの奥にキッチンがある場合は、遠近感が強調され、より奥行があるように感じられます。また、以下の手法を取り入れると、さらに広がりを強調できます。

・折り下げ天井部分に異なる仕上材(表面材)を使用する
・折り下げ天井に間接照明(コーブ照明)を仕込む

折り下げ天井部分に異なる仕上材(表面材)を使用すると、空間に躍動感が生まれます。その結果、天井特有の単調な印象を薄れさせ、より広がりを感じさせてくれるでしょう。

また、折り下げ天井に間接照明(コーブ照明)を仕込むと、空間に陰影が付いて立体感が出ます。さらに、天井面が明るくなることで、視覚的な広がりが強調されます

おしゃれな空間を演出できる

折り下げ天井は、おしゃれな空間づくりに効果を発揮します。天井に高低差をつけることで、単調な空間に動きが生まれ、視覚的に面白みが増します

折り下げ天井と間接照明を組み合わせることで、より一層おしゃれな空間を演出できます。天井の段差部分にコーブ照明を設置すると、伸びやかな光が天井を照らし、空間にムードを与えるでしょう。

仕上材で個性を演出することも可能です。折り下げ天井部分に木目調のクロスを貼ると、天井のアクセントとなります。空間に温かみや高級感をプラスしてくれるでしょう。

折り下げ天井は、インテリアの一部です。床や家具、ドアなどとの調和を意識し、お部屋全体で統一感を持たせることが重要です。

梁(はり)や配管を隠せる

おもにマンションなどの天井裏の空間(ふところ)が狭いお部屋では、太い配管や構造の梁が室内側に露出する場合があります。そうなると、空間に雑然とした印象を与えてしまいます。

たとえばキッチンでは、換気扇の種類や配置によっては、外壁まで排気のための太いダクト配管を通す必要があります。シンプル系スタイルのお部屋では、配管が見えると気になるでしょう。

折り下げ天井を設置することで、そのような配管を隠すことができます。天井がすっきりとして、お部屋全体の印象が洗練されます。


折り下げ天井(下がり天井)の施工事例

最後に、折り下げ天井の施工事例をご紹介します。

事例1:キッチン・ダイニング

ハンモックでアウトドアリビングが楽しめる家

最初にご紹介するのは、調理スペースとダイニングスペースの上を、ひと続きの折り下げ天井にした事例です。段差部分に照明を仕込むことで、LDKを個性的なスペースに仕立てています。

折り下げ天井を明るい木目調の仕上げとすることで、ナチュラルな雰囲気を演出しています。ブレックファーストからディナーまで対応できるハイセンスな空間になりました。

ハンモックでアウトドアリビングが楽しめる家

事例2:リビング

ジアゾ

つづいて、LDKの大部分を折り下げ天井にした、大胆な設計事例です。折り下げ天井が、シームレスに続くエントランスエリアとの緩やかな区切りの役割を果たしています。

仕上材をしっかりした色味の木目調にすることで、個性と高級感を演出しています。リラックスして、ゆっくりと過ごせる空間に仕上がりました。

全館空調 FITAIR 体感モデルハウス「GIAZO-ジアゾ-」


【まとめ】折り下げ天井(下がり天井)を活用してお部屋をおしゃれに

近年、天井の一部を意図的に下げる《折り下げ天井》が人気です。折り下げ天井にすると、空間にメリハリを付け、おしゃれな雰囲気にできます。

一方、折り下げ天井にはいくつかのデメリットも存在します。ちゃんと理解して対処しておくと、暮らし始めてからの満足度が向上するでしょう。

創建ホームは、折り下げ天井の実績が豊富です。モデルハウスで実物をご覧いただけますので、お気軽にご来場ください。実際の雰囲気を知ることで、建築計画が具体的になりますよ。

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