更新 住宅の知識
昨今、建築コストの高騰により「規格住宅」が注目されています。とは言え、まだ認知度が低く「規格住宅って何?」とか「注文住宅との違いは?」と、感じている方が少なくないでしょう。
規格住宅は、注文住宅と建売住宅の中間的な特徴を持っています。ですから「注文住宅を建てたいけど、最近高いしなあ……」と感じている方から、選択肢のひとつとして関心を持たれているのです。
本稿では、規格住宅の特徴や魅力について詳しくご紹介します。注文住宅や建売住宅との違いも織り交ぜて解説しますので、ご興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
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まずは、規格住宅の特徴からご説明しましょう。
「規格住宅」とは、どんな住宅なのでしょうか?―― 国土交通省が、発表した資料の中で「請負型規格住宅」について以下のように解説しています。これが参考になるでしょう。
自らが定めた住宅に構造・設備に関する規格に基づき住宅を新たに建設する工事を業として請け負う事業者が、その規格に基づき新たに建設する住宅を指します。
このため、分譲住宅のような請負契約によらない住宅や外皮や設備の仕様について、予め自ら定めた仕様やリストの中から選択するのではなく、建設する住宅ごとにゼロから検討する住宅は、「請負型規格住宅」には該当しません。
これを簡潔に意訳すると「ハウスメーカーが用意した標準規格にもとづいて建てる家」と言えそうです。「セミオーダー住宅」や「カスタムメイド住宅」と言い換えると分かりやすいかもしれません。
「レディーメイドの建売住宅」と「オーダーメイドの注文住宅」の中間くらいの家、とお考えいただくとよいでしょう。
なお、規格住宅の設計自由度はハウスメーカーによって異なります。
たとえば、創建ホームの規格住宅「FLEXsi (フレクシー)」は、仕様や外観、間取りや内装材をアレンジしていただけます。オプションも豊富に取りそろえた「セミオーダー住宅」となっています。
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ちなみに「仕様」とは、建築に使う建材や設備、施工方法などのことです。家づくりでよく登場する言葉で、家の機能や性能を決定づけるものですので、覚えておいていただくとよいでしょう。
規格化住宅を建てる費用は、ハウスメーカーによって大きな差があります。どこまでカスタマイズできるか、あるいはどんな仕様かによって、価格が高下します。
大ざっぱに言うと「建売住宅より高く、注文住宅より安い」―― ただし、建売住宅と比較すると合理化によるコストダウンの程度が限定的であり、どちらかと言うと注文住宅に近い価格帯です。
なお、国土交通省が公表している「令和4年度 住宅市場動向調査報告書 (p104、p155)」によると、注文住宅と分譲戸建住宅(建売住宅)の平均的な取得資金額は以下のようになっています。
▼全国平均
・新築注文住宅:5,436万円(住宅建築資金と土地購入資金の合計)
・分譲戸建住宅:4,214万円(土地を含む住宅購入資金の総額)
規格住宅の平均的な取得資金額は、このあいだに収まるのではないでしょうか。もっとも、住宅の取得資金額は地価に大きく左右されます。お住まいの地域の相場も、ご確認ください。
なお、複数社の規格住宅を比較検討するときは、価格だけで決めてはいけません。間取りや性能なども確認して、総合的に判断する必要があります。ご注意ください。
規格住宅を建てる流れは、基本的には注文住宅と同じですが、一部の打ち合わせを省略あるいは簡略化できます。
ざっと、以下のような流れで進んでいくでしょう。
1. 土地を探して、売主と売買契約を締結する
2. ハウスメーカーと相談しながら家の仕様や間取りを決める
3. 図面や見積書を確認して、問題なければハウスメーカーと契約
4. 建築工事(必要に応じて地鎮祭や上棟式を執りおこなう)
5. 完成したら、お引き渡し・登記・代金の清算をおこなう
6. お引っ越し
ただし、家づくりの流れは、建築主の都合や土地の状況、ハウスメーカーの進め方によって変化します。ハウスメーカーと相談しながら、抜け漏れがないように進めてください。
つづいて、規格住宅のメリットとデメリットについて解説します。まずは、建てる前に知っておきたいデメリットからご紹介しましょう。
規格住宅は、注文住宅と比べると以下の短所があります。
・設計の自由度が低くなる
・特殊な形状の敷地に対応できない
また、建売住宅と比べると以下の短所があります。
・価格が高くなる
・引っ越しまでのプロセスが複雑
それぞれ、もう少し詳しく説明しましょう。
料理に例えるなら、注文住宅はシェフにあなただけの献立をリクエストするようなもの。一方、規格住宅は、品目ごとにいくつかの選択肢の中から選べるコース料理のようなものです。
もしも、あなたが徹底的に自分好みのものをつくってもらいたいなら、フルオーダーできる注文住宅のほうが向いているでしょう。
一般的な規格住宅は、間取りにもベースとなるプランを設けています。そのベースプランは、規制の少ない四角形の敷地を想定してつくられたものであり、特殊な形状の敷地に対応できません。
ですから、狭小地や不整形地を購入された方は注意が必要です。規格住宅のベースプランでは、うまく当てはまらないかもしれません。斜線規制や景観条例など、法規制が厳しい地域も要注意です。
レディーメイド(既製品)の建売住宅は、徹底した「家づくりのパターン化」でコストダウンしています。販売や土地の仕入れも合理化してコストカットしていますので、とてもリーズナブルです。
一方、規格住宅は、建売住宅ほど合理的につくれません。とにかく安く家を手に入れたいのであれば、建売住宅のほうがご希望をかなえやすいでしょう。
規格住宅は、土地を自分で手配する必要があります。その結果、土地探しだけでなく、住宅ローンの手続も煩雑(土地+建物)になるでしょう。
打ち合わせも、建売住宅ほど省略できません。できるだけ早く、かつシンプルに家を手に入れたいのであれば、建売住宅のほうが向いています。
規格住宅は、注文住宅と比べると以下の長所があります。
・打ち合わせの労力を低減できる
・低コストで建築できる
また、建売住宅と比べると以下の長所があります。
・設計の自由度が高い
・デザインや性能(耐震性や断熱性など)の質が高い傾向がある
それぞれ、もう少し詳しく説明しましょう。
規格住宅の家づくりは、標準の仕様や間取りをベースに、建材や設備等の一部を「ハウスメーカーが用意した選択肢」の中から選んでいくスタイルです。
ですから、注文住宅より使える建材や設備等が限定されます。その結果、建築主さまの打ち合わせの負担が減り、ご相談開始から家が完成するまでの期間も短くなります。
規格化住宅は、打ち合わせや建材の仕入れ、施工方法などをある程度パターン化できます。パターン化は合理化につながり、人件費や材料費のコストダウンに寄与します。
また、使える建材や設備等が限定されることで、建築主さまはアレコレ目移りせずに済むでしょう。その結果、注文住宅にありがちな「高級品の使いすぎによる予算オーバー」を防ぎやすくなります。
建売住宅は、売主が仕様や間取りを決めたあと、その計画で建築確認(行政の建築許可審査)を受けてから売り出されます。ですから原則的に、大がかりな変更要望は受け付けてもらえません。
一方、規格住宅は建築主さまとの打ち合わせを経て、仕様や間取りを確定したあと建築確認の申請をおこないます。ですから、規格の範囲内でカスタマイズすることができるのです。
建売住宅の家づくりでは、建てやすい形状の家を、汎用的な建材や設備を使って量産します。ですから、どうしても「没個性的なデザイン」や「ベーシックな性能」になりやすいのです。
一方、規格住宅は注文住宅に近く、デザインや性能にこだわった商品がたくさんあります。また、用意されているオプションを付加していただくことで、グレードアップすることも可能です。
最後に、規格住宅を選ばれる方に向けて注意点をご紹介します。―― 規格住宅を建てるときは、中途半端にならないようにお気を付けください。
規格住宅は、注文住宅と建売住宅の長所を併せ持っています。一方、短所も併せ持っていますので、「何となく」で規格住宅を選んでしまうと「中途半端」と感じてしまい後悔しかねません。
しっかりとその魅力とリスクを理解してから、自分にぴったりかどうか判断していただきたいと思います。たとえば、規格住宅はこんな方にはおすすめできません。
・徹底的に自分好みの仕様や間取りにしたい人(注文住宅がおすすめ)
・可能な限り安く家を手に入れたい人(中古住宅や建売住宅がおすすめ)
・できるだけシンプルな手続で家を手に入れたい人(建売住宅がおすすめ)
一方、規格住宅はこんな方におすすめです。
・建売住宅では物足りない人
・リーズナブルに家を建てたい人
・選択肢が多すぎると悩んでしまう人
ぜひ、本稿を参考に「自分には、どんな住宅が合うのだろう?」と考えてみてください。
住宅選びは一生に一度の大きな決断ですので、しっかりと情報を収集して、後悔のない選択をしたいですよね。本稿でご紹介した情報をヒントに、ぜひあなたに合った住宅を見つけてください。
規格住宅は、注文住宅と建売住宅の中間的な特徴を持つ住宅です。建売住宅にはないカスタム性と、注文住宅では実現が難しいコストダウンの両方を実現していただけます。
創建ホームでは「建売住宅より自由、注文住宅よりリーズナブル」なセミオーダー住宅・FLEXsi(フレクシー)をご提供しています。ご興味がある方は、以下のリンク先から資料をご請求ください。
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