更新 住宅の知識
根強い人気がある平屋ですが、2階建てに比べて建築数は多くありません。あまり見慣れないので「どんな外観にすれば、かっこよくなるんだろう?」と悩む方が少なくないでしょう。
注文住宅を建てる方は、契約時点で実物がないので、余計に不安を感じますよね。―― 安心してください。ポイントをしっかり押さえておけば、あなた好みの外観の平屋を建てられます。
本稿では、平屋の外観を格好よくするポイントをご紹介します。平屋の家づくりをご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。住めば住むほど愛着が湧く平屋を建てましょう。
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さっそく、平屋の外観をナチュラルでおしゃれに見せるためのポイントやアイデアをご紹介しましょう。
さて、どうすればナチュラルでおしゃれな外観の平屋になるのでしょうか。―― 最初にやるとよいのは、自分の好みを具体的に理解することです。
「ナチュラル」や「おしゃれ」は抽象的な表現ですので、もう少しイメージを具体的にするとよいでしょう。たとえば、こんな感じです。
・素材の質感を活かした、シンプルな北欧スタイル
・木の質感を活かしつつ、現代的なモダンスタイル(ナチュラルモダン)
・白い塗壁や素焼き洋瓦など、カントリー調の南欧プロヴァンススタイル
イメージが具体的になると、好みのデザインを深掘りしたり、設計者と話をしたりするときに役立ちます。
イメージを具体的にしたいときは、カタログや住宅専門誌が便利です。写真だけでなく文語表現も豊富に載っていますので、好きなイメージを言語化する力が身につきますよ。
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なお、外観デザインのスタイルは、ハウスメーカーによって得意・不得意があります。ですから、好きなスタイルが決まると、ある程度ハウスメーカーの選択肢を絞り込むこともできます。
平屋の注文住宅をご検討中の方は、ぜひ「好みのスタイルの具体化」から初めてみてください。ハウスメーカー選びがラクになりますよ。
平屋の外観の印象を左右する要素は、わりとたくさんあります。たとえば「屋根の形、外壁の色や素材、玄関ドア、窓の大きさと位置、外構や外構照明」などです。
さらに、建物のシルエットも重要な要素です。とりわけ、うまく凹凸をつけてデザインした家は陰影が美しく、ハイセンスな印象になります。
では、どうすれば外観に凹凸ができるのでしょうか? ―― たとえば、間取りを真四角にせず、以下のようなプランにすると外観にも凹凸が現われます。
・L字型プラン
・コの字型プラン
上述のプランは、多方向からお庭を楽しめます。縁側があると、屋内と屋外をゆるやかにつなぐこともできます。1階建てである平屋の長所を、うまく生かせるプランと言えるでしょう。
一方、横に長く伸びた水平のラインも、平屋の印象的な特徴のひとつです。ミース・ファン・デル・ローエが設計した「ファンズワース邸」なんか、典型的ですよね。
平屋の間取りを検討される際は、ぜひ凹凸や水平ラインを意識してみてください。すてきなシルエットになりますよ。
》平屋の間取りの実例 – おしゃれで使いやすい平屋にするには?
平屋のデザインは、建物だけで決まりません。地面とのつながりが強い平屋は、外構(お庭や玄関アプローチ)も重要な要素になります。
とくに「ナチュラルでおしゃれな平屋」を建てたい場合は、外構の予算もしっかり残しておくべきでしょう。植物や石材をうまく取り入れることで、ナチュラルな雰囲気を醸成できます。
また、シンボルツリーを植えれば、人目を引くフォーカルポイントになってくれるでしょう。建物をライトアップできる外構照明があれば、日没後の平屋を彩ってくれます。
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さて、どうすれば洗練された雰囲気の平屋になるのでしょうか。―― つづいて、平屋の外観をモダンでかっこいいデザインにするためのポイントやアイデアをご紹介しましょう。
建物の印象は、屋根のかけ方でずいぶん変わります。とりわけ平屋の屋根は面積が大きく、地上からよく見えますので、印象に大きく作用するでしょう。
また、使う屋根材によって最低限確保しなければならない勾配(角度)が変わります。ですから屋根材は材質感だけでなく、家のシルエットに関わることを考慮しながら選びたいところです。
屋根形状は間取りの影響も受けます。どんなシルエットがモダンに見えるか、設計者と一緒に話し合ってみてください。
代表的な屋根の形をご紹介しておきましょう。
片流れとは、一方だけに傾斜している屋根のことです。建築コストを抑えたり、太陽光発電をたくさん載せたりしたい方におすすめです。
片流れはロフトを設けやすいので、平屋でも人気です。とくに、モダン系やかっこいい系のデザインを目指すなら、片流れが有力な候補になります。
適している外観スタイル:モダン、スタイリッシュ、コンテンポラリーなスタイル
切妻とは、ふたつの斜面からなる山形に組まれた屋根のことです。スタンダードな形ですので、周囲の環境に合わせやすい屋根形状です。
ゆったりとした大きな切妻屋根は、平屋の重厚感を際立たせてくれるでしょう。和モダンスタイルの平屋におすすめの屋根です。
適している外観スタイル:ナチュラル、シンプル、南欧風のスタイル
寄棟とは、棟の四方に流れる4つの斜面で構成される屋根のことです。寄棟はどんな間取りでも合わせやすく、かつ耐風性が高い屋根形状です。
平屋で寄棟屋根を採用するなら、しっかり軒を出したほうが重厚な雰囲気になるでしょう。雨水の浸入も防ぎやすくなります。
適している外観スタイル:重厚感、高級感、和のテイストのあるスタイル
方形は寄棟の一種ですが、頂点が1点に集まるタイプの屋根です。方形屋根も、しっかり軒を出すことで、雨水や紫外線から外壁を守ってくれます。
シンプルでピラミッドのような方形屋根は、安定感があります。寄棟屋根と同様に重厚感を感じられるスタイルにもでき、コンパクトにすることでかわいい系スタイルの平屋に向いているでしょう。
適している外観スタイル:和モダン、モダン、重厚感のあるスタイル
平屋は、軒の出幅を深くすることで、モダンかつ重厚な印象になります。この深い軒の下にテラスやデッキを設け、アウトドア・リビングにしていただくとよいでしょう。
平屋は地面とのつながりが強く、テラスやデッキを設けることで家の中と外がひと続きになります。このようなデザインができるのは、平屋ならではの魅力と言えます。
平屋の外観を格好よくしたい方は、ぜひ軒を深くして、その下にテラスやデッキを設けてみてください。暮らしも、豊かになりますよ。
一時期、インテリアで「エクレクティックスタイル」と呼ばれる「異なる要素の組み合わせ」がはやりました。たとえば「和と洋、木と金属、伝統とモダン」などです。
エレクティックスタイルは、家の外観にも応用できます。個性的で自分らしい平屋をつくるのに、役立つ考え方ではないでしょうか。
たとえば、建物の外観では、こんなふうに異なる要素を組み合わせられます。
・凹凸:間取りを真四角にしない
・高低:建物を2ブロック以上に分け高低差をつける
・濃淡:外壁をツートーンにする
・木材と金属:外壁の素材を一部変える
・曲線と直線:建物は水平を強調し、外構に曲線を用いる
・斜めと水平:屋根のかけ方を一部変える
対比要素があると、よい意味で「違和感」が生まれます。ユニークな意匠もデザインしやすいので、ぜひうまく取り入れてみてください。
ただし、要素の配分や組み合わせ方にミキシングセンスが必要です。景観との調和も考慮しなければなりません。経験豊富なハウスメーカーにご相談ください。
最後に、注文住宅の平屋の外観で「失敗」をなくすコツをご紹介します。
家づくりで失敗しないためにもっとも大切なことは、ハウスメーカー選びです。ですから、平屋建築の実績が豊富なハウスメーカーに依頼しましょう。
平屋の外観デザインは、以下のようなさまざまな要素を考慮する必要があります。
・建物の形(間取り)
・屋根のかけ方
・外構(お庭や玄関アプローチなど)
・近隣住宅からの視線
・日照や通風
平屋建築では、このような要素のトータルコーディネートが必要です。平屋建築に慣れていないハウスメーカーは、コーディネートできなかったり、何かを見落としたりするかもしれません。
周囲の自然や景観との調和も、平屋にとって大事な検討事項です。自然や景観になじませるには、ハウスメーカーと外構業者のコラボレート力も問われます。
気になるハウスメーカーを見つけたら、しっかり建築事例を確認しましょう。おしゃれな平屋を建てているか、建物と外構がうまくマッチしているか、チェックしてみてください。
注文住宅は、契約時点で実物が存在しません。ですから、どんな外観になるのか、でき上がった間取りから想像する必要があります。
たとえば、こんな材料から平屋の外観を想像できますよ。
・外観の立面図
・模型
・パース
・バーチャルリアリティ
想像の解像度が高ければ「思っていたのと違う家になった」といった失敗がなくなるでしょう。図面だけでイメージが湧かないときは、設計したハウスメーカーに相談してみてください。
「おしゃれ!」や「かっこいい!」と思うデザインは、人それぞれです。ですから、まず自分の好みを知ることや、その好みを設計者と共有することが大切です。
好みのデザインを見つけたいときは、専門誌やカタログが役に立ちます。たくさんの実例を見て、自分にとって心地よいデザインを見つけたら、写真を切り抜いておくとよいでしょう。
ご紹介したポイントを思い出しながら、ご家族で「シルエットはこんな感じが好き」とか「屋根はこんな感じがいいな」と意見交換してみてください。楽しいですよ。
みはら住宅展示場(広島県三原市明神)では、創建ホームの平屋モデルハウスをご覧いただけます。天井高6mでとても開放的な平屋です。ぜひ見学にご来場ください。